朝ラーメン。博多ラーメンは「豚骨」が特徴として挙げられるが、「豚の肉の出汁」の存在感もすさまじいなと、そういうのよりはラードや脂身を押し出す北海道の食に慣れつつある舌にはかなりショックだった。
福岡アジア美術館。10年ほど前に行って、なんだかおもしろかった覚えだけは残っており、再訪した。やはり良かった。国・ 地域と作品を強く紐付けることは、一方では本質主義的な見方でもあるが、しかし、そういうしかたをすることで浮き出てくるアーティストたちのテクニックやスタイルの関係があるのだなと思う。最後のほうに掲げられているチー・ポン《太陽》(Apollo in Transitという英題も最高)、キャンディー・バード&崔栄梨《アザーズ Good Night, and Good Morning》はなんだかあまりに作品に出てきている生のあり方が美しく、眩しさで涙が出てきた。それにしても、チョ・スプのスライドショー作品《かなわぬ恋》は、めちゃくちゃタケシだった。
新千歳に戻ってきて、18時ころに新札幌駅で東西線を乗り換える際、狭いコンコースのコンビニ前で、小学校高学年か中学1年生くらいの眼鏡をかけた少年が、カップラーメンを、大きなリュックサックを下ろすこともなく、立ったまま一心不乱の面持ちで、割り箸を手にすすりこんでいた。これから塾か習い事かに行く前の腹ごしらえだろうか。部活終わりでよっぽど腹が減っていたのだろうか。「人混みの中で立ったままカップラーメンを食う」というのは、自分にはよっぽど鮮烈な姿だった。もう一目でも彼の所作を見ていたら、おにぎりを買ってやっただろう。いままでに抱いたことのない感情だった。

